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【Studio One】拡張FXチェーンでM/S処理

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はじめに

どうも、木箱 (@kibako2010) と申します。

今回はStudio One 3 Professionalを使った小技について書いていきます。

M/S処理はなんとなく面倒そうだ

M/S処理。DTMをやっている方ならば名前くらいは聞いたことがあるでしょう。

LR (左右) に分かれているステレオ信号をMid/Side (センターとサイド)に分けてエフェクトなどの処理をすることです。

通常のLRステレオでは出来ない音像を作ることができるので、ミックスの幅が広がります。音圧を高めるような文脈で使われていることも多いようです。

M/S処理の手順についてはざっくり次のとおりです。

LRの音源をMidとSideの成分に分けて書き出す

MidとSideそれぞれにエフェクトをかける

MidとSideに分けた音源を再びLR音源に戻す

このM/S処理というもの。ずっと興味はあったのですが、一回書き出すとかまた元に戻すとかいう行程がものすごく面倒そうな印象でした。

また、ミックスに問題があって戻るたびに書き出しが必要だったり、書き出すたびに音声ファイルが増えてごちゃごちゃになったりというところにデメリットを感じています。

対応しているプラグインを使えばいいのかもしれませんが、そのようなことを考えずもっとシンプルにできないものかとずっと思っていました。

そこで、ここではStudio One 3 Professionalの拡張FXチェーン機能を使って、MidとSideでバウンスせずにそれぞれの成分にエフェクトをかける方法をご紹介します。

拡張FXチェーン

機能の解説なので、処理の方法だけ知りたい方は読み飛ばして構いません。

拡張FXチェーンは、Studio One 3 (Professionalのみ) に搭載されている機能です。

公式の説明としてはプラグインエフェクトの並列処理が行える機能だそうです。

……なかなかイメージしづらいですね。

筆者の理解ではトラック内におけるプラグインエフェクトのルーティングが自由にできるというところです。

たとえばひとつのトラックにディレイとコーラスを同時にかけるようなときドライ音だけにコーラスをかけるとか逆にディレイ音にだけコーラスをかけるとか、そういうことがあっさり出来てしまうような機能です。

コンプ音とドライ音をミックスするようなことも、エフェクト側でなくDAW側で簡単に実現できます。

他にも発想次第で無限の可能性を秘めている素敵機能です。

拡張FXチェーンではスプリッターで音源を分割することが機能の根幹をなしています。

これがM/S処理におけるMidとSideに分割することに使えると思い、試してました。

拡張FXチェーンでM/S処理

1,バス・トラックの作成

まずは下準備として、すべてのトラックをひとつのバス・トラックへ送ります。

マスタートラックでやっても良いのですが、不要になったときに削除するのが手間なのでバス・トラックを作ることをおすすめします。

2,プラグインの挿入

次にバス・トラックのエフェクトを以下のように設定します。

Mixtool
(M/S処理プラグイン)

好きなプラグインエフェクト
(ここではEQをMid用、Side用で2つ挿しています)

Mixtool

この際、2つのMixtoolはMS Transformを選択しておきます。

M/S処理で使用したいプラグインはこの段階では挿さなくても構いません。

3,エフェクトルーティングの設定

エフェクト画面の左上に枝分かれしているようなマークがあると思います。これが拡張FXチェーンです。

クリックすると以下のような画面になります。

プラグインエフェクトが一直線に並んでいますね。

一つ目のMixtoolの直後にスプリッターをドラッグアンドドロップで挿して音を分割します。

この時分割モードはチャンネル分割を選択します。すると、分割した左側がMid、右側がSideになります。

分割してある部分にお好きなプラグインエフェクトを挿し込むことでMidとSideそれぞれに任意のエフェクトをかけることができます。

ここまでやってFXチェーンを保存しておくと良いでしょう。

おわりに

いかがでしょうか。

筆者もまだちょっと試した程度ですが、効果はあると思います。

面倒くさそうな印象から解放されたので、これからはジャンジャン使っていきます。

また、拡張FXチェーン自体が相当の可能性を秘めているので、楽しい使い方や便利な使い方を模索してみるのも面白いかもしれません。

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ループ素材を並べるだけの一番カンタンかもしれない作曲法

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はじめに

「作曲」というと楽器やら音楽理論やらといろいろな知識が必要なように感じてしまいがちです。

もちろんあるに越したことはありませんし、自分の思い通りの表現をするためにはどこかで学習する必要のあるものだとは思います。

しかし、それらは「あると便利なもの」であって、「ないと出来ないもの」ではありません。

知識も何もないのにどうすればいいのかって?

そんなときはループ素材を使いましょう。

ループ素材とは

適当なメロディやコードが録音してある音素材です。

例えばこんなもの。

これらの素材を並べて行くだけで、それなりの音源を作ることが出来ます。

こんな具合です。

ループ素材は、DAWについてくるものもありますし、少し調べれば出てきます。フリーのものもたくさんありますが、作った音源の用途によっては権利関係に気をつけて使う必要があります (商用利用は不可の素材など) 。

オーディオループとMIDIループ

ループ素材には大きく分けて2種類あります。

オーディオループMIDIループです。

オーディオループ

オーディオループは、そのまま音の素材が入っているものです。PCなどのメディアプレーヤーで素材の確認ができますし、DAWに読み込めばそのままの音が流れます。

クオリティの高い演奏がそのまま使えるので、ただ並べるだけで自分では演奏できないようなクオリティのトラックが出来ます。一方、音色などをいじることはほとんどできないので、融通は効きません。

MIDIループ

MIDIループは、MIDIファイル形式の素材です。ざっくり言うと打ち込みの楽譜データです。DAWのインストゥルメントトラック (DAW内で鳴らす楽器用のトラック) に並べて音を出します。

音源は自分で選びます。また、MIDIデータそのものをいじることが出来るので、ドラムトラックでフィルをつけるなど曲作りの幅が広がります。出音に音源のクオリティが関わってくるので、完成度を高めるのはオーディオループに比べて難しいかもしれません。

どちらが良くてどちらが悪いということではなく、どちらもうまく使っていけばいいでしょう。

素材をどう使うのか

素材を並べたりいじったりして曲にしていくのはエレクトリックなジャンルでよく使う方法です。先に出した音源もそんなイメージですね。

ただ、素材によっては他の雰囲気でも作れてしまいます。

これはStudio One 3 Professionalに付属しているオーディオループとエフェクトだけで作ったものです。先程のものと雰囲気が全然違いますね。

DAWを買って素材を並べるだけで(調整はしますが)これだけのものが出来てしまうんです。

筆者はギターを使って曲作りをすることがほとんどですが、そういう気力が湧かないときにループ素材を使って遊んでいます。マウスだけあればできますし、一応ちゃんと聞けるものが出来ます。

もしかしたら「自分で曲を作っていない感」が出るかもしれません。しかし、素材やその組み合わせは無限にあって、そこから自分のセンスに従ってトラックを組み上げていくので、出来上がったものが他の誰かによって作られたものでないのは確かです。

自分で料理するために買ってきた食材ような感覚でループ素材を使ってみてはいかがでしょうか。

ある程度自身で打ち込みや演奏ができる場合でも、創作のヒントになったりしますし、部分的に組み込んでみると幅が広がると思います。

おわりに

筆者の話をしますと、作曲の中でループ素材を使うという発想になったのがだいたい半年前くらいで、それまでは「自分で曲を作っていない感」があるだろうと思って試していなかったようなところがあります。

何事も試してみることは大事だなと思いつつ書きました。

音楽づくりをはじめてみたいけど躊躇しているあなたも、「自分で演奏してこその音楽作り」と思っているあなたも、試してみて世界が広がったらなと思います。

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